所在地 | 〒167-0051 東京都杉並区荻窪3-47-12 | |
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U R L | http://rikkyoji.or.jp | |
交 通 | 丸ノ内線/荻窪駅 徒歩7分 |
立教寺は、村岡典亮大僧正が昭和の初め、もと松庵村(現在の杉並区松庵)に在った天台宗円光寺の観世音菩薩像と弁才天像を勧請、円光山 妙成就院と号し、現在の地に建立した。
円光寺については『新編武蔵風土記稿』に詳しいが、円光が元禄年間に開創したと伝えられる。
〇村岡典亮大僧正について
・若くして真言宗の寺院で密教に出会う。
・日蓮宗の寺院で『法華経』を学び、「『法華経』と密教は同一である」と覚る。
・「円密一致を宗旨とする天台こそ我が志す処」と比叡山に登る。
・東叡山寛永寺との縁により天台宗に改宗。
・『妙聖法』を著し、広く天台宗内外の寺院に妙聖法講習会を開くと共に、数多の信徒の願いを成就させる。
・天台宗改宗後、二十年足らずで大僧正の位に就き、三諦章緋紋白大五条特許の褒賞を受ける。
その他
昭和26年 中山玄秀座主猊下より天台宗特別表彰を受ける。
昭和32年 天台宗修験道法流関東総監に任じられる。
開基 円光寺 円光(元禄年間 1688年―1704年)
立教寺 村岡典亮大僧正(昭和初期)
〇御本尊について
本尊は一字金輪不動明王。立教寺の不動明王は、特に一字金輪仏頂尊の化身であり、全国でも立教寺だけの特別な不動明王である。※1
一字金輪仏頂尊は人の運命を掌り運勢を操る星曼荼羅の中尊で、立教寺本尊も同じ功徳により人々に「吉縁」を起こし、諸願成就に導くとされる。
また、「立巳・立身(たつみ)不動」ともいい、立身出世や足腰の病に霊験あらたかとされ、特に「辰巳」に通じるからと、辰年生まれと巳年生まれの参拝者が多い。
山号の「円光」は、円光寺の他、一字金輪仏頂尊の金輪(光背輪)も意味する。
※1「一般に不動明王は、大日如来が憤怒の形相に化身したもの(教令輪身)とされているが、当寺本尊の不動明王は、最勝最尊の仏である一字金輪仏頂尊の教令輪身とされる。(杉並区教育委員会発行『杉並の寺院』より)」
〇『妙聖法』について
村岡典亮大僧正が独自に研究し、考案したもの。『法華経』と真言密教、『宿曜経』を融合させ、運命を知り、運勢を上昇させる秘法。全三十三巻から成る。
〇「一字金輪曼荼羅」御開帳について
令和元年には天皇陛下御即位奉祝事業として、寺宝の一字金輪曼荼羅が初めて御開帳され、多くの檀信徒で賑わった。
一字金輪曼荼羅は、息災や敬愛のために修する一字金輪法の本尊像として用いられる。しかし当寺の曼荼羅は、
増益の法式に則った彩色が施されているところが特徴的であり、増益の法を修する目的で描かれたと考えられる。
またこの曼荼羅は、「拝んで富くじが当たった」との言い伝えにより、「富くじ曼荼羅」といわていれる。
この御開帳を機に、現在は東京国立博物館に預け、調査研究がなされている。※2
※2「金泥や截金を用いて立体的に表現し、線も美しく丁寧に描いている。
中尊の一字金輪は水墨画の技法を取り入れた珍しい技法で、天蓋の瓔珞も巧みに描かれている。
高い技量の熟練した絵師によって描かれた優れた作品である。(東京国立博物館 学芸研究部調査研究課絵画・彫刻室 室長 沖松健次郎氏)」
〇御祈願について
・諸祈願
立教寺の御祈願は『妙聖法』による運勢を上昇させる御祈祷。開運縁起初護摩祈願、冬至星祭、諸願成就祈願その他。
・厄除け(福寄せ)
立教寺の「厄除け祈祷」は一般的な厄除けとは異なり、「厄除け福寄せ」であり、『妙聖法』により「厄難」を「福徳」へ変じ転じる御祈祷。特に、厄年ではない時に厄除けを行うと福徳が身につくとされる。
〇その他
・各行事の他、福運日に「七面稲荷、大黒天、弁才天、毘沙門天」の四福尊(至福尊)御法楽を行い、息災増益を祈願する。
・檀信徒には『妙聖法』による「護符」「霊符」を授与する。
・「富くじ曼荼羅」にあやかり、『妙聖法』による「金財利徳符」を授与する(現在頒布制限中)。